建設業許可申請について


 建設業の許可は、建設工事の完成を請け負うことを営業とするためにはその工事が公共工事であるか民間工事であるかを問わず、建設業法第3条に基づき建設業の許可を必要としますが、軽微な建設工事のみを請け負って営業する場合には、必ずしも建設業の許可を受けなくてもよいこととされています。前述した要件以外にも建設業許可には様々な要件があり、申請手続きについても煩雑なことが多々あると思われます。そのような手続きを当事務所はサポートさせて頂きます。事前にご連絡頂ければ、時間外・休日対応致しますので、お気軽にお問い合わせください。お仕事でお忙しい方でも本業に専念しながら建設業許可申請が可能です。

 当事務所では、建設業の許可申請、許可取得後の更新手続、変更届等も行っていますので、許可後も全面的にサポートさせていただきます

軽微な建設工事


軽微な建設工事とは、下記の建設工事をいいます。

 
<建築一式工事の場合>
工事1件の請負代金の額が1,500万円未満の工事または延べ面積が150㎡未満の木造住宅工事
<建築一式工事以外の建設工事の場合>
工事1件の請負代金の額が500万円未満の工事
※建設業許可の取得が不要な工事でも、浄化槽設置をする場合、解体工事を営む場合、電気工事を行う場合など他の法律により行政庁への「登録」が必要な工事がありますのでご注意ください。

建設業許可申請の流れ


<要件の確認>

建設業許可を取得するための実務経験が経営業務責任者や専任技術者に該当するかどうか、資金的要件などを満たしているかの確認をします。

<必要書類の収集>

申請書と一緒に提出しなければいけない発注証明書、身分証明書など各種証明書類・添付書類を集めます。

<申請書類作成>

証明書類・添付書類が全て揃い、申請書の作成が済んだら、提出書類に印鑑(個人事業主の場合は認印、法人の場合は法人代表者印)を押します。

<書類提出>

建設業をおこなう営業所を担当する役所の窓口へ書類一式を提出します。窓口での審査で問題がなければ、登録免許税・申請手数料を納付して受付となります。

<審査>

許可申請が妥当かどうかは、受付窓口の役所の担当官が審査します。申請してから許可が出るまでにかかる期間は知事許可で約1~2か月、大臣許可で約3~4か月です。書類の不備や追加書類の必用な場合は申請窓口の担当官から連絡が入るので対応します。

<許可取得>

提出書類類に問題がなければ、建設業許可取得となります。許可通知証を受け取った後、業者票を事業所内に掲示して営業を行います。

 


許可の要件


建設工事の種類


建設工事の種類は29業種ありますが、これらは大きく一式工事と専門工事に分かれます。

 

<一式工事>

複数の「専門工事」を組み合わせた、総合的な建設工事を行う業種です。

<建築一式>

建築一式工事は、「総合的な企画、指導、調整のもとに建築物を建設する工事」と定義されており、原則元請の立場で施工される総合的なマネージメントを必要とする工事です。

<土木一式>

土木一式工事は「総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物を建設する工事」と定義されており、原則元請の立場で総合的なマネージメントを必要とする工事です。

 

<専門工事>

一式工事の2業種(土木一式工事、建築一式工事)を除いた、残りの27業種が専門工事にあたります。

 

このように「一式工事」と「専門工事」はまったく別の許可業種であり、「一式工事」の許可を受けた業者が他の「専門工事」を単独で請け負う場合は、該当する「専門工事」の許可も個別に取得しなくてはなりません。


一般建設業と特定建設業


建設業許可は一般建設業と特定建設業の2種類に区分されています。一般建設業と特定建設業の大きな違いは下請けに出すことができる金額です。

 

<特定建設業許可>

建設工事の最初の発注者から直接工事を請負う者(元請業者)が、1件の工事について下請代金の額が4,000万円以上(建築一式工事の場合には、1件の工事について下請代金の額が6,000万円以上)となる下請契約を締結して工事を施工する場合には、特定建設業の許可を受けなければなりません。

一般建設業許可と特定建設業許可の区分は、元請業者として工事を請負った場合に下請業者に出す下請代金の大小によって区分されるものです。特定建設業許可はあくまで、元請業者として下請業者に出す発注金額で判断されます。

下請業者として建設工事を施工する場合には、請負金額に関わらず特定建設業許可を取得することが必要となることはありません。また、下請業者がさらに下請業者に再下請に出す場合にも金額の制限はなく、特定建設業許可が必要となることはありません。

 

特定建設業の許可を受けるためには下請業者保護などのため、一般の建設業許可にくらべてより厳しい要件をみたしている必要があります。特定建設業許可業者には、一般建設業許可業者に比べて、次のように規制が強化されています。

  • 専任技術者や財産的基礎といった建設業の許可要件が厳しくなっている
  • 施工体制台帳と施工体系図を工事現場ごとに作成しなければならない
  • 下請代金の支払い期日や支払い方法についての規制がある
  • 下請業者の労賃不払いに対する立て替え払いをしなければならない

同一の建設業者が、ある業種については特定建設業許可を受け、他の業種については一般建設業許可を受けるということもありえます。しかし、同一の建設業者が同一の業種について一般建設業許可と特定建設業許可の両方の許可を取得するということはできません。

 

 

<一般建設業許可>

上記のように特定建設業許可が必要となる場合以外には、軽微な建設工事のみをおこなう場合を除いて、建設業を営む者は一般建設業許可を取得することが必要となります。 


業種追加申請・般特新規申請


<業種追加申請>

現在、ある業種で許可を受けている法人や個人が、別の業種についても許可を受けようとする場合は、業種の追加をします。

 ・一般建設業の許可を受けている者が他の一般建設業の許可を申請する場合

 ・特定建設業の許可を受けている者が他の特定建設業の許可を申請する場合

 

<般特新規申請>

現在、一般建設業許可を得ている会社が、新たに別の種類の業種に関する特定建設業許可を求めるような場合には、般特新規申請をします。

 ・一般建設業の許可のみを受けている者が新たに特定建設業の許可を申請する場合

 ・特定建設業の許可のみを受けている者が新たに一般建設業の許可を申請する場合

 


知事許可・大臣許可


建設業の許可は、「大臣許可」と「知事許可」に区分されています。

二以上の都道府県の区域内に営業所を設けて営業しようとする場合は、国土交通大臣に許可申請をします。一の都道府県の区域内のみに営業所を設けて営業しようとする場合は、都道府県知事に許可申請をします。

「営業所」とは、本店または支店もしくは常時建設工事の請負契約を締結する事務所をいいます。また、これら以外であっても他の営業所に対して請負契約に関する指導監督を行うなど、建設業に係る営業に実質的に関与する場合も、ここでいう営業所になります。ただし、単に登記上本店とされているだけで、実際には建設業に関する営業を行わない店舗や建設業とは無関係な支店や営業所等は、ここでいう営業所には該当しません。

上記のとおり、大臣許可と知事許可の別は、営業所の所在地で区分されるものであり、営業し得る区域または建設工事を施工し得る区域に制限はありません。

許可申請後の手続・義務


 

 

<更新>

許可の有効期間は5年間です。引き続き建設業を営もうとする場合は、許可満了日の30日前までに更新申請の手続きを行う必要があります。この期間を満了すると許可は失効します。


 

<決済報告>

毎年必ず、決算報告の届出が必要です。建設業法に基づく建設業許可を受けている業者は、毎事業年度終了後4カ月以内に決算報告に関する届出書を提出することが義務付けられています。提出がない場合、罰則を受けることがあります。また、決算報告届出が提出されていない場合は、公共工事の入札参加資格を取得・般特新規申請・業種追加申請・経営事項審査を受審・更新申請はできません。

 


 

<変更届等>

許可を受けた後、下記の届出事項に該当する場合は、その届出期間内に必ず届出書を提出しなければなりません。提出がない場合、罰則規定があります。また、許可有効期間内に届出事項のすべての届出書が提出されていない場合は、更新申請・般特新規申請、業種追加申請はできません。

 

<標識の掲示義務>

許可業者は、営業所および工事現場ごとに許可標識を掲示しなければならず、また標識は見やすい場所に掲示されていなければいけません。

 

標識に記載しなければいけない事項

・商号又は名称
・代表者の氏名
・一般建設業又は特定建設業の種別
・許可を受けた建設業種
・許可番号
・許可年月日
主任技術者又は監理技術者の氏名、専任の有無、資格名等

 

 

<標識のサイズ>

営業所に掲げる標識は、縦35cm以上、横40cm以上

工事現場に掲げる標識は、縦25cm以上、横35cm以上 

 

 

 

 <施工体制台帳・施工体系図>

発注者から直接建設工事を請け負った特定建設業者で、当該建設工事を施工するために締結した下請負契約の総額が 4,000万円(建築一式工事の場合は 6,000万円)以上になるとき は、施工体制台帳及び施工体系図を作成しなければな りません。また、平成27年4月1日以降に契約する公共工事については、下請契約を締結す る全ての元請業者が施工体制台帳及び施工体系図を作成しなければなりません。

 


<帳簿の備付・保存義務>

 元請や下請、請負代金の額にかかわらず全ての建設業者が対象とされるもので、建業許可業者は、請負契約に関する事項を記載した帳簿を営業所ごとに備え付けなければなりません。

保存期間は5年間ですが、発注者と締結した住宅を新築する建設工事にかかるものは10年間の保存義務があります。

帳簿への記載内容は細かく定められているため、きちんと把握しておく必要があり、契約書など添付しなければならない書類も定められています。


<契約締結に関する義務>

発注者と受注者との間で行われる請負契約の締結に関しては、当時者間の契約の適正化を図るため、適正な契約を締結することが義務付けられています。

建設業法では請負契約は書面で行うこと、請負契約は原則として工事の着工前に行わなければならない、請負契約書には定められた事項を記載しなければならないなど、様々な規定があります。

また、工事の注文者としての有利な立場を利用して不当に安い金額で契約したり、工事に使用する資材を請負人に購入させたりといった行為をすることも禁止されています。

 

 

<工事現場における施工体制等に関する義務>

・工事現場への技術者の適正な配置義務

建設業者は、建設工事の適正な 施工を確保するために、請け負った建設工事を施工する工事現場に、当該建設工事について一 定の資格を有する者(主任技術者又は監理技術者)を置いて 工事の施工の技術上の管理を行う必要があります。

 

<主任技術者>

建設業の許可を受けたものが建設工事を施工す る場合には、元請下請及び請負金額にかかわ らず工事現場における工事施工の技術上の管 理をつかさどる者として、主任技術者を配置し なければなりません。

<監理技術者>

発注者から直接請け負った建設工事を施工す るために締結した下請契約の請負代金の額の合 計が4,000万円(建築一式工事の場合は6,000万 円)以上となる場合には、特定建設業の許可が 必要となるとともに、主任技術者に代えて監理 技術者を配置しなければなりません。

 

元請下請の区別なく、公共性のある重要な建設工事で 工事一件の請負金額が3,500万円(建築一式工事の場合は7,000万円)以上の工事に設置される監理技術者等は、 工事現場ごとに専任の者でなければなりません。  また、営業所の専任技術者は、現場における専任の監理技術者等にはなることができず、他の工事現場との兼任もできません。

 

原則、営業所における専任の技術者は、営業所に常勤して専らその職務に従事することが求められています。

特例として、下記の要件を全て満たす場合は、営業所における専任の技術者は、当該工事の専任を要しな い監理技術者等となることが可能です。

① 当該営業所において請負契約が締結された建設工事であること

② 工事現場と営業所が近接し、当該営業所との間で常時連絡を取りうる体制にあること

③ 所属建設業者と直接的かつ恒常的な雇用関係にあること

④ 当該工事の専任を要しない監理技術者等であること


 

・一括下請負の禁止

建設業法第22条1項では「建設業者は、その請け負った建設工事を、いかなる方法をもってするのかを問わず、一括して他人に請け負わせてはならない」と規定しており、同法2項では、「建設業を営む者は、建設業者から当該建設業者の請け負った建設工事を一括して請け負ってはならない」と規定しています。

よって、建設業者が一括下請負を行うことは、原則、禁止されています。

例外として、入札契約適正化法に規定する公共工事や民間工事のうち共同住宅を新築する工事を除き元請業者があらかじめ発注者より書面による一括下請負の承諾を得た場合には、建設業法違反とはならないと建設業法第22条3項に定められています。

一括下請負の禁止に違反した建設業者に対しては、行為の態様、情状等を勘案し再発防止を計る観点から監督処分等がなされます。なお、一括下請負は、元請業者だけではなく下請業者も監督処分の対象となります。

  

・建設業法における下請契約に関する諸規定

建設業法では建設工事の下請契約について、次のような規定を置いて下請負人の保護を図っています。

・不当に低い請負代金の禁止等

注文者は、自己の取引上の地位を不当に利用して、その注文した建設工事を施工するために通常必要と認められる原価に満たない金額を請負代金の額とする請負契約を締結してはなりません。(建設業法第19条の3)

不当な使用資材等の購入強制の禁止

注文者は、請負契約の締結後、自己の取引上の地位を不当に利用して、その注文した建設工事に使用する資材若しくは機械器具又はこれらの購入先を指定し、これらを請負人に購入させて、その利益を害してはなりません。(同法第19条の4)

・下請代金の支払

元請負人は、請負代金の出来形部分に対する支払又は工事完成後における支払を受けたときは、当該支払の対象となった建設工事を施工した下請負人に対して、当該元請負人が支払を受けた金額の出来形に対する割合及び当該下請負人が施工した出来形部分に相応する下請代金を、当該支払を受けた日から1月以内で、かつ、できる限り短い期間内に支払わなければなりません。(同法第24条の3第1項)

・完成検査及び引渡し

元請負人は、下請負人からその請け負った建設工事が完成した旨の通知を受けたときは、当該通知を受けた日から20日以内で、かつ、できる限り短い期間内に、その完成を確認するための検査を完了しなければなりません。また、元請負人は、建設工事の完成を確認した後、下請負人が申し出たときは、直ちに、当該建設工事の目的物の引渡しを受けなければなりません。(同法第24条の4)

 

・特定建設業者の下請代金の支払期日等

特定建設業者が注文者となった下請契約において、下請負人が特定建設業者又は資本金4,000万円以上の会社でないときの下請代金の支払期日は、工事完成確認後、下請負人から目的物の引渡しの申出から起算して50日を経過する日以前において、かつ、できる限り短い期間内において定められなければなりません。(同法第24条の5)

また、当該下請代金の支払について、一般の金融機関による割引を受けることが困難であると認められる手形を交付してはならず、支払が遅れた場合は遅延利息が必要になります。

 


経営事項審査


公共工事を元請業者として国、地方公共団体などから直接請け負う場合は、経営事項審査を受審する必要があります。