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JCIP(建設業許可・経営事項審査電子申請システム)とは

JCIPとは、建設業許可・経営事項審査電子申請システム(Japan Construction Industry electronic application Portal)のことです。建設業許可・経営事項審査の申請や届出について、今まで通りの書類による申請等に加えて、JCIPを利用しての電子申請等が可能になりました。なお、全ての手続きが電子申請等の対象となっている訳ではなく、電子申請等できない手続きもあります。

 

2023年1月10日から建設業許可・経営事項審査電子申請システム(JCIP)での受付が開始されました。なお、申請先の行政庁によって電子申請の受付開始時期が異なる場合があります。JCIPを利用して申請をお考えの方は、申請先にJCIPでの申請に対応しているかの確認をあらかじめすることをお勧めします。

JCIPが導入される前は、建設業許可・経営事項審査の申請や届出については、書類での申請のみ可能でした。書類での申請は、申請準備、審査が申請者や許可行政庁双方にとり大きな負担となっていることもあり、申請者や許可行政庁双方の事務負担を軽減し生産性向上を図ること及び新型コロナウイルス感染症拡大等を踏まえての非対面での申請手続きを行える環境を整えることを目的とし、電子申請が導入されました。

メリット

・行政庁への訪庁や郵送での申請・届出が不要

書類での申請等をする場合には、申請先の行政庁に出向いたり郵送で書類を送付する必要がありますが、電子申請では、会社や自宅のパソコンから書類作成及び申請・届出が可能なため、行政庁への訪庁や郵送での申請等が不要です。なお、電子申請では対応していない手続きもあり、全ての手続きが電子申請で行える訳ではありません。

 

・データ連携により書類の取得や添付が不要

GビズIDのID取得等の条件を満たす必要がありますが、法務省(登記事項証明書)や国税庁(納税情報)等とのデータ連携によって、当該書類の取得や添付が不要となります。書類での申請をする場合と比べ、省略できる書類があり便利です。なお、一部の手続きでは、データ連携を行うことができません。

 

・エラーチェックや自動計算ができる

システムによるエラーチェックや自動計算が行われるため、書類作成にかかる手間が省け、 作成誤りが起こりにくくなります。

 

・外部データの取込、前回申請データの再利用

JCIP対応の建設業アプリ等で作成したデータの取り込みや前回申請時のデータを再利用しての申請書類作成が可能なため、パソコン入力作業にかかる時間を短縮できます。

 

・印紙購入が不要

窓口申請の場合には、現金や印紙で手数料・税金を支払いますが、電子申請の場合には、それらをインターネットバンキングで支払うことが可能なため、現金を持ち歩く必要もなく、印紙を購入し貼り付ける煩わしさもありません。

デメリット

・申請前にGビズIDの取得が必要

電子申請システムを利用するには、あらかじめデジタル庁が発行するGビズID を取得しておく必要があります。

  

・インターネットバンキング利用契約が必要

電子申請では、手数料・税金をインターネットバンキングで支払うことになるため、対応している金融機関のインターネットバンキング利用契約が必要となります。

  

・パソコン操作が面倒

電子申請をする事前準備としてのPC環境の設定、パソコンでの情報入力等多くのパソコン操作が必要なため、不慣れな方にとっては大変負担となります。 また、パソコンを使っての作業となるため、全てのオンライン手続きに共通することですが、インターネット環境に左右される等で手続きが思うように進まない場合もあります。

  

・電子申請の対象外となっている手続きがある

2023年3月現在、許可申請 (新規許可、許可換え、般特許可、業種追加、更新)、決算報告、経営事項審査申請(経営規模等評価、総合評定値)などは電子申請の対象ですが、 一部対象とされていない手続きもあるため、全ての手続きが電子申請で行える訳ではありません。

 

 

JCIPを利用するには、あらかじめGビズIDを取得していること、従来紙で添付していた書類をデータ化し添付すること、代理申請をする場合には紙ではなく申請者と代理人が委任状の作成及び承認をシステム上で行う等様々なパソコン作業が必須となります。パソコン操作に慣れている方にとっては、便利さを感じることも多いと思いますが、不慣れな方にとっては大変な作業になると思われます。JCIPでの受付が開始されましたが、従来通り書類での申請や届出も可能です。申請等をされる方は、メリットとデメリットを比較し、書類での申請とJCIPを利用した電子申請のどちらでの申請方法が自身に合うのかを考え、申請方法を選択されればと思います。