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※このページでは、普通自動車(大型特殊自動車で建設機械抵当法第二条に規定する建設機械であるものを除く。)について記載しております。
譲渡担保とは、債務の担保として債務者又は第三者所有の財産を債権者が形式的に債権者の名義にし、債務者が占有・使用を続ける担保方式です。よって、担保物である自動車の所有権を債権者に譲渡しても、債務者はその自動車を継続的に使用しながら債権を返済することが可能です。
通常の譲渡の場合、譲受人は目的物の完全な所有権を取得するため、目的物を自由に処分することが可能ですが、譲渡担保の場合は、被担保債権が期日どおりに支払われている限り、債権者は担保物を処分することができず、債務不履行となって初めて担保物を処分できるようになります。
また、通常の譲渡と譲渡担保では、目的物を処分した後に残った利益についても違いがあります。通常の譲渡は、譲受人が目的物を処分し被担保債権よりも担保物の価値が高かった場合、その利益は全て譲受人のものとなりますが、譲渡担保では、債務不履行があった場合、形式的に移転していた財産を債権者が担保物の所有権を自ら取得するか、または換価処分をして債権回収を行います。債権者が自ら担保物の所有権を取得する場合は、担保物の価値相当額が被担保債権に充当され、担保物を換価処分する場合は、処分によって得た代金が被担保債権に充当されますが、通常の譲渡とは異なり、譲渡担保権者が回収できる価値は被担保債権の額に限定されます。よって、被担保債権よりも担保物の価値が高かった場合には、差額を清算金として譲渡担保設定者に返還しなければいけません。
担保方式として、譲渡担保の他にも所有権留保があります。譲渡担保は売買と同時でなくても、譲渡担保設定契約を締結し対抗要件を具備(自動車では登録)する手続きを行うことにより設定できますが、所有権留保は自動車を売買したときに設定する担保権であるという点に相違があります。また、自動車税(種別割)の納税義務者についても異なります。譲渡担保の場合、原則通り納税義務者は所有者に課税されますが、所有権留保の場合は例外的にローンで車両を購入した買主が納税義務者となります。
自動車を購入し担保にする場合、譲渡担保よりも所有権留保が一般的に使われることがほとんどです。
※注意
このページでは、普通自動車(登録自動車)について記載しております。軽自動車、大型特殊自動車、被牽引自動車等については、手続き方法や必要書類等が普通自動車と異なることがありますので、ご注意ください。