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産業廃棄物収集運搬業許可の要件(積み替え保管を除く)

許可を受けるには、下記の要件①~⑤をすべて満たす必要があります。

①欠格要件に該当しないこと

法人の場合は役員・株主・法人に対して業務を執行する社員・政令第6条の10に規定する使用人等、個人の場合は事業主・使用人等が欠格要件に1つでも該当する場合は許可を受けることができません。また、許可申請時には問題がなかった場合でも、その後欠格要件に該当することとなった場合には、許可は取り消されることになります。

欠格要件

①成年被後見人・被保佐人・破産者で復権を得ない者

②禁固以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者

③次に掲げる法令等に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者

 ・廃棄物処理法

 ・浄化槽法

 ・大気汚染防止法

 ・騒音規制法

 ・海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律

 ・水質汚濁防止法

 ・悪臭防止法

 ・振動規制法

 ・特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律

 ・ダイオキシン類対策特別措置法

 ・ポリ塩化ビニフェル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法

 ・暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(第31条第7項を除く。)

 ・刑法第204条(傷害)

 ・刑法第206条(現場助勢)

 ・刑法第208条(暴行)

 ・刑法第208条の2(凶器準備集合及び結集)

 ・刑法第222条(脅迫)

 ・刑法第247条(背任)

 ・暴力行為等処罰に関する法律

④次に掲げる許可を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない者

 ・一般廃棄物収集運搬

 ・処分業の許可の取消し

 ・(特別管理)産業廃棄物収集運搬

 ・処分業の許可の取消し

 ・浄化槽法第41条第2項による許可の取消し

⑤法人で暴力団員などがその事業活動を支配するもの

⑥暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律に規定する暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者

⑦その業務に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者

 

※欠格事由には、様々なケースがあるため事前にご相談ください。

②産業廃棄物収集運搬業許可申請に関する講習会を修了していること

新規・更新の許可申請者には、産業廃棄物の収集運搬業を的確に行うための知識及び能力が必要とされているため、日本産業廃棄物処理振興センターが実施する講習会を受講し、修了試験に合格する必要があります。

法人で申請する場合は取締役又は代表者、個人で申請する場合は申請者本人が講習会を受講することになります。

行政手続き上の講習会の修了証の有効期限は、多くの都道府県・政令市で新規5年、更新で2年(一部の都道府県・政令市では5年)となっています。修了証の有効期限及び都道府県・政令市への申請手続き時期などを考慮し受講時期を決めなければなりません。

そして、新規・更新の許可申請時には、修了試験に合格すると送付されてくる講習会修了証の写しを添付するだけでなく、原本を持参する必要があります。

③運搬施設(運搬車両、車庫、容器)を有していること

産業廃棄物の収集運搬を行うにあたり、産業廃棄物の飛散、流出、悪臭が漏れるおそれのない施設・設備等を有することが要件となります。

施設等の使用権限があることを証明するため、許可申請の際に不動産登記事項証明書や公図などを提出します。

車両の車検証の使用者欄に法人の場合はその法人名が、個人の場合はその申請者名が記載されている必要があります。使用者欄が空欄の場合は、所有者が申請者であることが必要です。また、リースで使用者欄に申請者の名前が記載されている場合は申請可能ですが、レンタカーでは申請できません。

知人から借りた車両の場合は、使用承諾書・賃貸借契約書の写し等の使用権限を証する書類を提出すれば許可される場合もありますが、自治体によっては使用貸借や賃貸借の契約期間を許可証の有効期間である5年とすることを条件とすることもあるため、事前に確認が必要です。

運搬車両が古い年式のディーゼル車の場合には、条例等によりディーゼル車走行規制不適合車となり登録できない場合があります。

車検証の備考欄に土砂等禁止の表記がある場合は、この車両では汚泥、ガラス、コンクリート、陶磁器くず、鉱さい、がれき類等の産業廃棄物収集運搬ができない場合があります。

特別管理産業廃棄物の感染性産業廃棄物を収集運搬する場合は、保冷機能のある車両が必要となります。

がれき類や廃プラスチック類などは走行中に廃棄物が飛散しないように飛散防止用シートで覆う、泥・廃油・廃酸・廃アルカリなどは蓋付きオープンドラム缶やポリタンク等の専用容器を準備する、石綿含有産業廃棄物を含むものはフレコンバッグが必要となるなど産業廃棄物の収集運搬には、収集運搬に適した容器・車両が必要になります。

【車両・容器の例】

※廃プラスチック類、紙くず、木くず、繊維くず、ゴムくず、金属くず、ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず、鉱さい、がれき類などの固形状の産業廃棄物は容器がなくても運搬できるものもあります。

④事業計画

事業計画の要件は、産業廃棄物の収集運搬業を適切に行うために計画を立て、業務量に応じた施設や人員などの業務遂行体制を整えることが必要です。そして、計画通りに事業を行わなければなりません。

具体的には、収集運搬を行う廃棄物の種類や性状を把握していること・取り扱う産業廃棄物の性状に応じて必要となる施設(車両、運搬容器等)があること・搬入先業者の処理施設が廃棄物を適正に処理できる施設であること・業務量に応じた収集運搬のための施設があること・適切な業務遂行体制が確保されていることなどを記載します。

⑤経理的基礎

産業廃棄物の収集運搬を的確にかつ継続して行うに足りる経理的基礎を有していることが要件となります。

経理的基礎が悪い場合は、産業廃棄物の適正な処理を行うことができず産業廃棄物の不法投棄や放置等に繋がる可能性があると考えられ、申請者の経理的基礎の状況によっては、不許可になる場合や中小企業診断士の経営診断書等の追加資料の提出が必要となる場合があります。

法人の場合の提出資料として、直前3年分の貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表、確定申告書の写し、確定申告書の別表の写し等の関係書類、法人税納税証明書等を提出します。

個人の場合の提出資料として、資産・負債の状況について記載した資産に関する調書、固定資産証明書、銀行等の預貯金残高証明書、負債残高が確認できる書類、直前3年分の確定申告書の写し・確定申告書の別表の写し等の関係書類・所得税納税証明書等を提出します。

そして、提出した資料により経理的基礎を有しているか否かが総合的に判断されます。

※都道府県により許可基準が異なる場合もありますので、まずは要件を満たしているかお気軽にご相談ください。